死んだ私に、会いに来てくれたの
その日のうちに弔問客が訪れ始めた。隣人であり、小学生のころからずっと仲がよかった友人のジャニーヌも、親友にお別れを告げるためにやって来た。そして、ジャニーヌが棺の前に立ったとき、突如として棺の中からリュセットが起き上がって「あら、ジャニーヌ、会いに来てくれてありがとう」と言った! なんと、驚愕したジャニーヌは心臓発作を起こして、その場に崩れ落ちて亡くなってしまった。
リュセットは長時間にわたるカタプレキシー[筋力が抜ける発作]を起こしていたのだが、主治医も葬儀社の職員も死んだものだと思い込み、疑いもしなかったのだ。
カタプレキシーは今でも一部の人に見られるもので、生きたまま葬られるのでは、という恐怖と結びついている。この恐怖はヴィクトリア時代(1837~1901)のイギリスで頂点を極めた。
この恐怖を払拭するため(本音を言うと利益追求のため)、一部の棺メーカーは想像力を発揮し、内側から開けることができる棺や、小さな鐘を鳴らすための紐を内側に備えた棺を商品開発している。
