生活が快適になれば、物を手放しやすくなる

実際の片づけが始まってからも、最初はほとんど物を捨てません。もちろん家に物が溢れている場合はある程度減らす必要がありますが、親とモメないためには、順を追って進める必要があるのです。

最初に行うのは、身の回りの物を使い勝手がよくなるように仕分ける作業です。

たとえば、お茶を飲むスペースもないほどテーブルが散らかっている場合。いきなり物を捨てるのではなく、文房具、お菓子、化粧品など仲間ごとにカゴや箱に入れ、よく使う場所に配置していくのです。

すると必要になった時に、わざわざ立ち上がらなくても手が届くようになる。親が「あの子が来ると、何だか生活が快適になる」と喜んでくれれば、そこから片づけのきっかけを作ることができます。

次に取りかかるのが、「オーディション」。自分で覚えておける適切な分量に選別する方法です。

洋服や食器などの持ち物を親と一緒に審査して、「よく使う」「たまに使う」と使用頻度で分けていくと、最終的に「どこにも含まれない」物が出てくると思います。

それがつまり不要な物なのですが、「捨てる」と言うと親はあれこれ理由をつけて抵抗しがち。その場合はいったん箱に収めて、親の手が届かない押し入れの奥などに「保管」しておきましょう。そのまま1~2年放っておけば親も存在を忘れてしまうか、または捨てていいか尋ねても、不要な物と実感できているぶん、意外にあっさり処分に賛同してくれるものです。

●「実家の片づけ」を成功に導く3大ルール

 【1】 ケガのリスクが少ない「安全第一」の家を目指す
 【2】 よく使う物を種類別に仕分け、使いやすさを実感してもらう
 【3】 片づけは一度で完了しない。「捨てない」ことも大事