「花形歌舞伎 特別公演」『曽根崎心中物語』(京都南座にて3月3~25日)で右近さんが演じる「お初」(写真提供:松竹)

男と女、どう切り替える?

篠井 右近さんに聞きたいのだけど、今日の舞台の八役早替りは、1時間ちょっとの舞台の中で、男と女を瞬時に行き来するでしょう。正直、どう切り替えているんだろうと思って。お衣装をつけた時にフッと切り替わるの?

右近 切り替わることをあまり気にしてないかもしれないです。

篠井 そうでしょう。気にしていたらできないと思う。

右近 性別で切り替えるのではなく、それぞれの強烈な個性を一つひとつ演じているだけですね。ただ、扮装の力は大きいと言えます。衣装を着た瞬間、パッとその役の気持ちに入る。

母性に関しては、小道具の赤ちゃんを毎日胸に抱いて見つめて、心を通わせて……。目に見えない力を頼りにしていました。

やはり、女方は定期的に演じないと、体から抜けていってしまうと感じます。自ら女方をやりたいという意思を示していかなければなりませんね。

篠井 期待していますよ。