独身同士なら何があっても問題にならない、ですと?

ところで私は今、冒頭の元同僚と一緒で、前職の雇用期間が満了となり、無職の状態である。最近受けた面接の中に、こんなものがあった。いくつもの商店からなる協同組合で、事務長候補の仕事だった。面接官は理事長と副理事長が行い、唯一の事務員が女性のため、うまくやっていけそうな女性の事務長候補を探しているという話だった。説明の後、副理事長が質問をした。

「今、福田財務事務次官のセクハラ問題が世間を騒がせていますが、どのようにお考えですか?」
「ひどいと思います。相手の立場を利用してセクハラ行為をするのは許せません。認めれば懲戒解雇になりますが、嘘を通せば退職金が出るという魂胆がバレバレです。しかも財務省は、『顧問弁護士と相談』としきりに言いますが、弁護士を立てるその費用も、私達の税金だと思うと腹立たしくてたまりません」
「でも、お互い独身同士だったら何があっても問題にはならないでしょう」

何を言っているのだろうかと、耳を疑った。
「独身同士でも、セクハラは存在します」
副理事長は、「要するに、受け止める側の問題でしょう」と慌てはじめる。
「おっしゃる通りです。でも、相手がセクハラだと感じれば、それは紛れもなくセクハラなんです」
少し、強い口調で言ってしまった。埒(らち)が明かぬと察したのか、理事長が口を開いた。

「実はね、うちの組合には100以上のお店が店子(たなこ)として入っているので、中にはセクハラやパワハラをする店主もいるんですよ。業務上、お店に出向き、いろいろな調整や渉外もしてもらうので、そのときに起きる可能性が高いんです。でもまあ、犯罪になるほど大それたことではないんですけど、ないとは言えないので、それに耐えられますか? と伺いたいんです」

わかっていて我慢せよということなのか!?

「度合いによります」
「ですよね。でも、もし決まった場合は、そういうこともありうると思っていらしてください」

面接でセクハラ、パワハラありきの説明を受けたということは、それを承知したことになるのだろうか。
何かあっても、この二人は守ってくれないのだろうか?

時代が変わっても、世間でこれだけ話題になっても、社会は簡単には変わらない。しかし、決まれば、行くだろう。基本給は安いが各種手当もあり、何より正社員への道が開けるのだから。セクハラ、パワハラにも私は負けない。そう決意をしていたのだ。

ところが、不採用通知が届いたのである。正直、拍子抜けしてしまった。きっと面倒くさい女だと思われたのだろう。戦に臨むジャンヌ・ダルクは、門前払いを食らったのである。