「#MeToo」運動やセクハラ告発にわいた2018年の日本。メディアで弁明する男性たちの時代錯誤なセリフにはいちいち呆れ、驚くばかりだったが、こんなオッサンたちが生息するのはなにもテレビの中だけではありません。求職活動のたびに堂々たるセクハラを受けたという神名美玲さん(仮名)の読者手記。はたして、彼女の運が悪いだけだったのか、それともこれが日本の恐るべき実体なのか……

面接を利用して“お相手”探しをする男たち

元同僚が、最近採用面接で訊かれたという。
「彼氏はいるの?」
結婚退職を危惧しているのかと思い、「いません」と彼女は答えた。しかしプライベートな質問は続き、最後にこう言われたという。
「永久就職する気ない? 実は僕も独身なんだ」
それですべてが理解でき、彼女は背筋が凍ったという。

数分間の面接でも、イヤな思いをすることがある。20数年前のことであるが、私も3度ほどそのような面接を受けている。

1つ目は、仙台市内の大手パチンコ店の事務職だった。面接官は社長と専務。何故か途中から、社長が専務に、席を外すように言ったのだ。一気に緊張の増す私に対し、社長はこう質問した。

「結婚のご予定は?」
「ありません」
社長は深く頷いた。
「勤めても、結婚までの腰かけ程度にしか考えていない人がいるから、一応聞いてみたんです」
結婚後も働く意思があることを伝えると、今度は、「恋人は?」と訊いてきた。
「おりません」
社長は大仰に驚いて、「本当にいないのぉ?もったいないなぁ」上目遣いで見るのだった。

非礼さに固まっていると、社長はにやりと笑ったのだ。
「どうだ、夜は私の相手をしないかい?」 
一呼吸置き、言葉を継いだ。
「いや、タダでというわけじゃないんだよ。給料のほかに手当はきちんと払うからさ……」。
粘つく視線を払いたかった。

言葉を失くして、黙していると、「別に、彼氏はつくってもいいんだよ。私はそういうのには、寛容だから」不躾な言葉を吐くのだった。視線を押し返すように、私は訊いた。

「奥様はいらっしゃるのですか?」
「いるよ。でも、それはそれ、これはこれだから」
あっけらかんと言っている。
「すみません」
私は、席を立った。
「辞退させていただきます」

お辞儀をして荷物を手にし、早々にその場を立ち去った。