朝倉氏が行った「包摂的な支配」とは

この問いを考えるうえで重要なのは、朝倉の支配のあり方です。

本郷先生のロングセラー!『「失敗」の日本史』(中公新書ラクレ)

朝倉氏は、越前国内の地侍や在地勢力、さらには一向宗の門徒といった人々を排除するのではなく、むしろ取り込みながら統治を行っていました。

いわば、多様な勢力を内側に抱え込むことで、地域の安定を実現していたのです。

この仕組みは、平時においては非常にうまく機能します。

対立は表面化せず、領国は安定し、経済活動も滞りなく進む。

百年にわたる繁栄は、まさにこの「包摂的な支配」によって支えられていたと言えるでしょう。