玉袋 そうなんです。頭ではわかってはいるんです。でも、やっぱりさみしい。どうしても、オカダ・カズチカじゃなくて、アントニオ猪木なんですよ。XXXX(※自主規制)よりはツービートであり、立川談志なんですよ。
毒蝮 おまえの気持ちもよくわかるけどさ、時代の流れ、自然の法則に逆らうことはできないよな。ただ、そうした時代にあっても、自分らしさを保ち続けることはできるよ。この前、ふと思ったんだよ、「あぁ、俺の存在は蒸気機関車のようなものなのかな?」って。
玉袋 いまでも根強い人気を持つSLですね。
毒蝮 そう。電気機関車全盛の時代に、俺はいまでも蒸気機関車のような存在で、『ミュージックプレゼント』をやったり、寄席のイベントなんかをやったりしているのかもしれない。SLマニアって、いつの世にもいるだろ?
時代が経過すればするほどSL自体も、SLマニアも減っていくのかもしれないけれど、そのぶん希少性は増してくる。そこに俺の存在意義があるんじゃないのかな。
玉袋 リニアモーターカーの時代ですから、なおさらSLの文化的価値、そして人々のノスタルジーは増していくばかりですよ。新しい時代についていくこと、対応していくことはすごく大切。だけど、それだけだとつまらないし、味気ない。なによりも自分が過ごしてきたここまでの道のりを否定することにもなりかねないから。
毒蝮 そうだよ、新しい時代に対応していくのは、現代を生きる人間にとっての必須条件かもしれない。でも、それまで培ってきた文化や伝統まで否定する必要はないもんな。
玉袋 ここ最近、なんとなくさみしく感じていた理由は、まさにそこにあるのかもしれないですね。「令和的価値観にアジャストしなければ」という思いで、俺がこれまで育んできた「昭和的価値観」を置き去りにし過ぎてしまったのかもしれません。だから、息苦しさを感じて、ついつい「あの頃は……」と過去志向になっていたのかな。
