写真提供:『愛し、愛され。』(毒蝮三太夫、玉袋筋太郎:著/KADOKAWA/撮影:榎本壯三)

毒蝮 それで、むしろ「新しいことをはじめない」と考えるようになったのか?

玉袋 そうです。「だったら、別に新しいことをはじめなくてもいいや」って気づくことができました。だって、俺には既に大好きななじみの居酒屋があり、スナックがあり、町中華だってある。

家に帰れば好きな映画を好きなだけ観たいし、プロレスの名勝負のDVDも観たい。競輪専門の放送局『SPEEDチャンネル』を観て、選手たちの脚の状態を欠かさずチェックしなくちゃいけない。

俺には、やるべきことはたくさんある。そんなに興味もないのに、無理して新しいことをはじめている時間なんかないやって、そう気づいたんです。

毒蝮 プロレスや競輪がどうかはわからないけど、映画にしても、落語にしても、一生かけても、それを究きわめることなんかできっこないからな。究める前にこちらが先にくたばっちまうよ。そう考えたら、わざわざ新しいことをはじめなくても、やるべきこと、楽しめることはたくさんあるよな。