孤立死・孤独死の定義をめぐる議論
このWGにおける孤立死(孤独死)の定義をめぐる議論の一端を以下にまとめておこう。
例えば、(1)死亡場所を自宅に限定するのかについては、屋外を含めないこととしている。また、(2)世帯類型を単身者のみにするのかについては、中間報告では、近年では夫婦や親子で亡くなっている事例もあることから、今後検討することとしていたが、最終的な取りまとめでは、警視庁のデータとの整合性も勘案して「一人暮らしの者」を対象とするとしている。なお、(3)自殺の扱いについて、調査統計によっては自殺を含めないものもあるが、同WGではこれを除外しないことを決定している。
さらに、(4)生前の状況や、(5)看取りの有無については、警視庁のデータからは推定が難しいとし、死後経過時間と併せた検討の方法が模索されている。(6)年齢基準についても、限定せず広い年齢層を対象とすることを決めている。(7)死後経過時間については8日以上とし、その理由について、「「少なくとも発見される前の7日間は、連絡がとれないことを気にかけてくれるような他者との接触機会がなかった」ことが推察され、そのような状況については、生前に「社会的に孤立していた状態にあったことが強く推認される」としても違和感はなく、概数を推計するための一定の目安として考え得る」としている(内閣府「孤立死者数の推計方法等について」2025年)。
これらの限界を加味したうえで、孤立死(孤独死)に該当する死はどの程度あるだろうか。
2024年、政府は、初めて全国の自宅で死亡した単身者の数を公表した(下図表)。警視庁の集計によれば、2024年度に一人暮らし、かつ自宅で亡くなった人は7万6020人であり、そのうち65歳以上の高齢者が約8割を占めた。また、WGでは、「社会的に孤立していた状態にあったことが強く推認される」死後8日以上経過した死を再集計しており、その数は、2万1856人だった。ただし、これは単年度の数字であるため、経年的な傾向、つまり増加傾向にあるのかどうかの確認をすることはできない。
