「東京の表参道で子どもの本の専門店『クレヨンハウス』を開いて47年。昨年11月に表参道を離れ、翌月に吉祥寺で新たなスタートを切りました」(撮影=大河内 禎)
作家の落合恵子さんは、2022年11月、多くの人に愛されてきた児童書専門店の移転を決断。いまの心境と、これからの挑戦について聞いた(構成=篠藤ゆり 撮影=大河内 禎)

48年目の新たな出発

東京の表参道で子どもの本の専門店「クレヨンハウス」を開いて47年。2022年11月に表参道を離れ、翌月に吉祥寺で新たなスタートを切りました。余談ながら、絵本をはじめ「子どもの本」と呼ばれる作品は、年齢制限なし、です。

ここ吉祥寺では、1階がオーガニックの野菜や食材のマーケット、そして、そこに入ってくる食材を調味料からすべて使ったオーガニックレストラン。オーガニックコスメ、インナーやアウターなどを集めたコーナーなどもあります。

2階は子どもの本と、安全で安心な、主に木のおもちゃを集めたフロア。地下にあるのは、ギャラリーと女性の本の専門店「ミズ・クレヨンハウス」。その本たちの居場所は、現在(2月中旬)まだ未完成です。

表参道店同様、フェミニズムをはじめとして内外の女性史などテーマ性のある本を取り揃え、書棚を前にしながらこの本はどこに置こうかな? と悩みつつ楽しんでいます。とりあえず移転し、走りながら徐々に整えている状態です。

表参道で四十数年間。移転を決めたときは万感の思いがこみ上げましたが、いざ引越しが決まると、「あのフロアはこうして」「棚はこちらに」と考えるのが楽しくて夢中に。いまになって、どっと疲れが出てきました。78歳の身にはけっこうな大仕事だったということですね。(笑)