真っ先に河合さんが

斎藤輝子を主人公に据えたことについて、宮藤さんは「できれば実在の人物がいい。そして、今は女性が活躍する時代なので、自由に言いたいことを言う女性のキャラクターがよかったんです。あくまでコメディがやりたいっていうこと、そして夫婦の話がやりたいっていう思いでした。斎藤輝子さんは、茂吉さんという偉大な人に全く尽くしていない。 これを朝から見たら楽しいだろうなって」と思いを明かした。

さらに、「僕が小さいときには、父親と母親が『ご飯が硬い』『もう行け』とか喧嘩して、学校や会社に送り出した後にテレビをつけてみるドラマだったから、良妻賢母じゃなくていいんじゃないかなという思いもありました」と説明。主人公のキャラクターに新鮮さも感じたという。

河合さんは、宮藤さん脚本のドラマ『不適切にもほどがある!』シリーズにも出演していた。「夫婦喧嘩のシーンを書くことになりますが、喜劇になってないと難しい。真っ先に河合さんが思い浮かびました。セリフとかお芝居のキレが一番大きかったですね」

宮藤さんにとっては、『あまちゃん』(2013年)以来15年ぶりの朝ドラ執筆となる。

「『あまちゃん』のときは、月曜から土曜までだったんですよ。 それが金曜までなのでちょっと減るのは大きい。『あまちゃん』のときもエピソードが入りきらなくて、どんどんどんどん最初に想定してたよりも物語が膨らんでいったんです。(『ほんのモキチ』では)どこをピックアップしようか考えているところ」と振り返った。

2019年には大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック 噺~』の脚本を執筆。宮藤さんは「実在する人の残っている資料から物語を考えるのがすごく楽しかった。今回は、細かく(茂吉の)日記が残っています。 妻と喧嘩したっていうことばっかりなんですけど。朝、1日の始まりに見るドラマとして楽しんでもらえるようにどうどういうふうに描こうか考えているのが楽しい」と打ち明ける。

会見に登壇した宮藤官九郎さん=2026年6月4日

ドラマのタイトルの『ほんのモキチ』は、テル子視点で考案。「茂吉」と「気持ち」を引っ掛けたという。「気持ちって、すごいいい言葉だと思うんです。気持ち右とか、気持ち多めとか、『ちょっと』っていう意味がある。(茂吉は)病院のことも頑張ってやってるし、短歌の世界では一流、天才だと言われてる人なのに、奥さんからしたらほんのモキチなんだなって。2つの意味をかけました」とタイトルに込めた意味を披露した。