連続テレビ小説通算118作目となる『ほんのモキチ』は、歌人の斎藤茂吉の妻、輝子をモデルに大胆に再構成。朝ドラ史上、最も不仲な夫婦の物語を描く。家事も育児もせず、そのくせ口が悪く、奔放で負けず嫌いで派手好きな上、やたら前向きな妻、杜テル子(河合優実さん)。大病院の院長で、数々の名歌を詠んだ偉人なのに、陰気で粘着質で、冴えない風貌の婿養子ゆえ、人望もない残念な夫、モ吉。この二人、気が合うわけがなく…。
オファーにドキドキ
ヒロインを務める河合さんはオーディションではなく、キャスティングで選ばれた。会見で河合さんは「朝ドラは特別な作品でスケールの大きいもの。その真ん中に立たせていただくということで、手放しに嬉しいだけではありませんでした。お話をいただいたときに心臓がバクバクして。 今はもう覚悟が決まってやる気満々です」と意気込んだ。
朝ドラ初出演となった『あんぱん』(2025年)では、ヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹、蘭子を演じて、話題を呼んだ。河合さんは「あんぱんでは、今田さんが本当に最初から最後まで明るく、みんなの前では太陽のように現場に来てくれていました。もし自分がここに立つことがあったら、こうやってできるかなみたいに思っていました。 尊敬もありましたし、間接的にプレッシャーも感じていたので、オファーをいただいたときすごくドキドキしたんです」と明かした。
モデルとなる斎藤輝子は明治28年、大病院を経営する斎藤家の娘として生まれる。学生時代に婦人誌の「令嬢特集」で表紙を飾り、一躍時の人に。大正3年に歌人の斎藤茂吉と結婚後は、震災や大火事、戦争と激動の時代を生き、病院を守ることに腐心。一方で、妻の立場に縛られずに自由に生きた。晩年には南極、エベレスト登山など世界各地を冒険し、破天荒な生き方が注目を集めた。息子は、芥川賞作家の北杜夫。
猛女と称された輝子について、河合さんは資料を読み始めたところだという。「輝子さんの生き方に驚くし、感嘆するし、笑っちゃう。波乱の人生を歩まれてきた。事実は小説よりも奇なりという言葉が頭に浮かんでしまうぐらい、盛る必要がないほど面白い家族」と語った。