イラスト:柿崎こうこ
内科医で、体を温めることの重要性を説く石原新菜先生。毎日ショウガを欠かさず、体温を上げる健康法を続けたら体調も劇的に変わったそうです(構成=島田ゆかり イラスト=柿崎こうこ)

【食のルール】朝のジュースと夜の和定食がルーティン

私は、赤ちゃんのときから欠かさず飲んでいるものがあります。それが、朝のニンジンリンゴジュース。ニンジン2本とリンゴ1個をジューサーにかけたもので、1人分で約400 mLの量になります。これが、ここ何年ものわが家の朝食。不足しがちなビタミンとミネラルを、ジュースにすることで最大限に吸収できるのです。

実は、このジュースを飲まなかった時期がありました。それは大学生のころから研修医時代にかけてです。ジャンクフードを食べ、運動もしない不摂生な毎日で、肩こり、頭痛、便秘、切れ痔、低体温が慢性化し、生理も止まってしまいました。そこで生活を見直し、このジュースを再開したところ不調が改善。体重は10kg減り、体温も1℃上がったのです。食事と生活習慣がいかに大切か痛感しました。今は、小学生の娘2人も欠かさず飲んでいます。

昼食はクリニックで、ショウガを入れた紅茶と黒砂糖を少しかじるくらい。夕方どうしてもお腹が空いたらおせんべいを少量食べることもありますが、間食としてケーキなどの洋菓子を食べることはありません。

その分、夕食はしっかりいただきます。といっても、わが家の夕食は100%和食の粗食。玄米と野菜いっぱいのお味噌汁、メインは魚です。そしてもずくなどの小鉢。納豆やキムチや漬け物などの発酵食品も、体を温める作用があるので欠かせません。

また、味噌には「メラノイジン」というポリフェノールも含まれていて、高い抗酸化作用が期待できます。インスタント味噌汁でもよいので、毎日食べたい食品です。根菜類や寒い産地の食材も同様に、体を温める作用があるので、よく取り入れます。

そして、ショウガやネギなどの薬味を多く使います。ショウガの「ジンゲロール」やネギ類に含まれる「アリシン」などの成分は、ウイルスや菌をやっつける白血球を活性化させ、免疫力をアップさせます。そしてこれらの辛味成分は末梢血管も刺激するため、全身の血行も促進。体を温めて免疫力を上げるという、ダブルのアプローチが期待できるのです。

今注目しているのは免疫機能を調節する「ビタミンD」。きのこ類、特にきくらげに多く含まれます。茹でたきくらげをゴマ油と塩にちょっとつけてつまむのが最高です!