亀屋良永 朝露

夏の朝、
露を含みながら
開かんとする朝顔。
その愛らしい姿を
ひと籠に盛り込んで

籠の中にたっぷり入った朝顔の蕾と葉っぱ。薄種(うすたね)と呼ばれる薄い餅粉の煎餅で砂糖を包んだ干菓子です。うすべに色に透ける蕾には梅肉砂糖が入っていて、ほのかな酸味と塩気があります。また緑色の煎餅をたたんだ葉っぱには生姜砂糖が潜んでいます。こちらは甘味とともにピリッとした辛味が特徴。いずれも薄種と砂糖が口の中で一つになりながらさらっと溶けるという、夏の干菓子ならではの爽やかな味わいです。

籠の中にはさらにもう一つ、粗めの落雁の「水」が入っていて、こちらは大徳寺納豆がアクセントになっています。煎餅とはまた異なる食感ながら、甘味と塩味を楽しめるひと品。どれも一見シンプルなのに実はひと工夫が施されており、冷茶もいいけれど、熱々のお薄、あるいは濃いめの煎茶を淹れようかなどと、合わせるお茶もひと工夫したくなるような魅力的な銘菓です。