ストレスのない関係、ストレスを感じる関係
心理学には「エゴグラム」という分析方法があります。これは、ひとりの人間の中に性格の異なる特徴的な“5人の私“(下図参照)がいると考えるものです。
その5人とは、(1) 「○○すべき」など“べき思考”の「批判的な親の私」。(2) 愛情深く世話好きな「保護的な親の私」。(3) 物事を論理的に考えて意見を言う「大人の私」。(4) 自分の感情に正直に振る舞う「自由な子どもの私」。(5) 相手の意見に合わせがちな「順応する子どもの私」。
人と接するとき、私たちは向き合う相手と自分の立場、関係性、距離などを無意識に判断し、5人のうちの誰になって振る舞うかを選択しています。当然、相手もこの“5人の私”を使い分けて接してきますので、それぞれの「私」がうまくかみあわないと良好な関係が築けません。家族に対しても同様です。このエゴグラムをヒントに、家族に感じるストレスを軽減する方法をお教えしましょう。
【“5人の私”って何?】
私たち一人ひとりの中には、異なる特性を持った5つの性格(自我)があると心理学では考えられています。人と接するとき、無意識にこの中の“誰か”が表れてくるのです
【CP(Clitical Parent)】批判的な親の私
責任感が強く、高い理想を持つ。ルールに厳しく、“べき思考”の発言が多い。相手を下に見て、批判的な態度をとることがある
口グセは「〜すべき」「〜しなければいけない」「私の意見は〜です」など
口グセは「〜すべき」「〜しなければいけない」「私の意見は〜です」など
【NP(Nurturing Parent)】保護的な親の私
面倒見がよく、思いやりのある言動ができる。相手に共感し、寄り添うことが得意。強く表れると過干渉、おせっかいに
口グセは「大変でしたね」「頑張りましたね」「つらかったでしょう」など
口グセは「大変でしたね」「頑張りましたね」「つらかったでしょう」など
【A(Adult)】大人の私
現実的、客観的な判断をする。コミュニケーションをとるときも感情的にならず、合理的な意見を冷静に伝えることができる
口グセは「問題点は何ですか?」「今は何をするのが賢明でしょうか」など
口グセは「問題点は何ですか?」「今は何をするのが賢明でしょうか」など
【FC(Free Child)】自由な子どもの私
自分の感情に素直で、無邪気で自由奔放。衝動的、感情的でもあるため、度が過ぎると周囲とトラブルになることもある
口グセは「すごい」「うれしい」「きれい」「きらい」「いやだ」など
【AC(Adaptive Child)】順応する子どもの私
従順でがまん強い。他人の評価を気にしがち。自分の意見を言わず、相手に合わせてしまう。へりくだり気味な発言も多い
口グセは
「私が悪い」「どう思う?」「どちらでもいい」「私なんか」など
口グセは
「私が悪い」「どう思う?」「どちらでもいい」「私なんか」など