自由に発言し、自由に怒ろうよ
すんみ 韓国でも、ネットとフェミニズムは強く結びついています。80年代のフェミニズム運動は労働運動と連動していて、どこか怖い人がやるイメージもあったそうです。それがいったん下火になり、90年代はフェミニストがネットでコミュニティを作って、普段は言えないことを書いたり読んだりしていました。そして今、江南駅の事件をきっかけに、一般の人がツイッターで「#私はたまたま生き残った」というハッシュタグをつけて声を上げ、フェミニズムが再び広がるようになったんです。
スー 女性なら誰でも、「自分が犯人に刺されていてもおかしくなかった」ということを訴えたんですね。じゃあ、韓国で普通の若い人たちの間でフェミニズムが盛り上がってきたのは、本当に最近のことなんだ。
すんみ そうです。今のフェミニストは「ヤングフェミ」と呼ばれ、自由に発言し、自由に怒ろうよ、という明るいイメージがあります。
スー それはいいですね!
酒井 日本でのフェミニズムの芽生えは、明治の末期に『青鞜』が創刊された頃だったわけですが、そのときの流れも欧米の婦人運動から来ていますし、敗戦後に女性が選挙権を持つようになったのもアメリカの力。その後のウーマン・リブもアメリカから来ているわけで、日本は外国の動きを利用してきたと言えます。今回も韓国からフェミニズムが移植されてきて、動きが変わる可能性は大いにありますよね。
スー 今、韓国はフェミニズム運動だけでなく、若者文化もすごく勢いがあって魅力的ですよね。
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