「今からやればいい」――母の言葉に背中を押されて
池松:上條さんは、2度アメリカに留学されているんですね。
上條:母がアメリカ育ちで、憧れがあったのです。アメリカに行きたいって母に言った時、『それなら(アメリカの)真ん中に行け』と。『本当のアメリカを見たいのだったら真ん中に行け』と言われて、カンザス大学に行ったんです。日本人はほぼいない、といった環境でした。
池松:2回目は40代ですよね。大英断ですね。何がきっかけだったのでしょう?
上條:私は眼科医です。もともと白内障の手術をたくさん行ってきて、患者さんに喜んでもらえるのがすごく嬉しくて。でも、色んな病院に出張に行ったら、病院の経営がすごく難しいことがよくわかりました。それで、もう一回勉強してみようと思ったのがきっかけです。
池松:なるほど
上條:修士を取りに行ったのですが、もうめちゃくちゃ大変でした。皆さん専門職で来てますし、議論するとかそんなレベルではなかったので、自分が思ったことを一生懸命考えて英語で言わなきゃいけないのが一番大変でしたね。
池松:辛かった時、どうやって立て直してきたのでしょう?
上條:留学へ行く前に、「もうちょっと学校でちゃんと英語を学んでおけばよかったなぁ」って家でボソッと言ったのです。そしたら、母が「いつ行くからっていうんじゃなくて、今だから。間に合うんだから、今からやればいいんだ」と言われて。「なるほど、今からか」「そうか、まだ間に合うのか」と思うようになりました。そこからは、もう前に進むしかないなと。(笑)

