ベストソリューションはこれです
久保 「部屋の掃除も進まないね。仕事も頑張れないね。ただ今日1日ボーッとしてただけだね」みたいな。周りはすごく心配してくれて、優しくしてくれるけれども、どんどん自分がダメな人間になっていってる感じがして。本当は元からダメなのが、どんどんみんなにバレていってる気がして、その怖さもある。「りゅうちゃんいなくて寂しい。ぐすんぐすん」って言いながらいつまでも生きていくわけじゃないし、今後いつか保護犬を迎えて生活していくのかどうか、そのビジョンも考えないといけない。でも犬を看取るまで飼うのってお金がすごくかかるし、責任もこんなにかかるんだ……というのを今回、覚悟してたことなのに、改めて痛感したんですよね。一人で世話していくのは大変だったし、今回看取ることになっていろんな人に助けてもらったけど、「こんなに他人に助けてもらわないと飼えないんだな」というのも実感してて。だからいま「次、また犬を迎えられる?」と聞かれるのは、(連載が終わった直後に)「次、また週刊連載を始められる?」と聞かれるくらいの感じなんですよ。「週刊連載を始めて、ちゃんと最終回まで描ける?」みたいな。
一同 (無言でうなずく)
久保 ただ私、ずっとりゅうちゃんを言い訳にして働けてなかったんですよね。りゅうちゃんが自分をマンガから引き剥がす理由になって、「マンガを抜きにした一人の人間としての自分」と向き合えた。それは人間活動として良かったんだけど、「働けてない」というのは事実としてあるわけで。そういうのもあって、自分の生活が今後どうなるのか、推し活もこれからどう……。
ヒャダ 「働く」一択ですね(きっぱり)。
能町 貴理ちゃんくらいレスが早い(笑)。
ヒャダ それが一番いいソリューションだと思います。
久保 働くにしても、どういう働き方をするのかというのもあって。私、やっぱりテレビの仕事が来ないんですよ。
──前に、お坊さんの番組(*)に出てませんでした?
*2025年に「悩める現代人100人が選んだ! お坊さんBEST5 泣ける説法GP」という番組に出演したことがある。プロデューサーは「久保みねヒャダ」と同じ木月洋介。
久保 でも次に繋がらなかったから、やっぱり私はそこまでの人間なんです。
能町 久保さんは「基本テレビに出ない人」だと思われてるんですよ。
久保 自分のペースでやれるのはやっぱりマンガだけれども、マンガを一定のペースで描いて量産していくのは、ちょっと厳しいかもしれない。前みたいなペース(*)で描くのは無理だと思うし。
*2013〜2014年ごろは、『週刊少年マガジン』での連載「アゲイン!!」と、ラジオのレギュラー「久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン」と、テレビのレギュラー「久保みねヒャダこじらせナイト」を同時にやっていた。
能町 月刊だったら?
久保 月刊も厳しいかなあ。マンガを描く自信がなくなってるのかもしれない。周囲の期待を裏切ってでも自分のやりたいことを押し出せればいいけど、そういうのもないし。で、つくづく思ったけど、今は何もマンガを描いていないから、自由に「BL大好き」「K-POPのこのアイドル大好き」と言えるんですよ。それを言った私が、もし今後マンガを描くとしたら、1ミリも似せちゃいけないわけです。
ヒャダ なるほど、そうっすね。
久保 誰かのファンだと公言してるわけじゃない女性のマンガ家さんが、少しでもどこかのアイドルのポーズや衣装と似たものを描くと、めっちゃ叩かれるんですよ。
ヒャダ 確かに。
久保 「それは怖い」と思って。だから私は今、自分の好きなものとか大事にしてきたものを糧に作品を描けないなと。犬のエッセイマンガも描こうと思ってないし。テレビに出ているから、テレビ業界ものを描くかと言われると、本当に真ん中にいると描こうとは思わないし。
