完全バリアフリーの館内には、住人のための読書スペースも(おでんせ中の島)

以前はエレベーターのないマンションに一人暮らしだった小森さん。終の棲家を探すうちに「おでんせ」を知り、〈自立と共生〉という藤井夫妻の考えに感銘を受けた。また小森さんには当時愛猫がおり、ペットと暮らせる部屋があるというのも入居の決め手だったそう。

「猫は17歳で亡くなるまでここで暮らしました。お花と一緒に中庭の桜の根元に埋葬し、みんなで歌を歌って送ったんです」

ペットロスから立ち直れたのは仲間の存在と、「やるべきこと」があったからかもしれない。65歳まで幼稚園の先生だった小森さんは、ここに移ってからも85歳まで子育て支援などで積極的に地域活動をしていた。

地元との繋がりを大事にする「おでんせ」の方針もあり、近隣住民を招待するイベントにも奔走。

「シルバーレストランという催しでは、地元で一人暮らしの高齢者をお招きし、私たちがお昼ご飯を作って一緒に食べます。人形劇や紙芝居、朗読をしたり、歌を歌ったりして楽しんでいただいて」と小森さん。

オーナーの藤井よし江さんが元助産師という関係もあり、敷地内には子育て支援のNPOの事務所も。すぐ隣の小学校と、イベントなどを通じた交流も続いている。