ペーパーバックの流行

60年代、重厚な教養書が売れていく一方で、大量生産による低価格で気軽に手に取ることができるペーパーバックが大流行します。

その典型が、光文社のカッパ・ブックスのシリーズでした。岩波新書などは、どちらかというと知的階層を対象とした編集方針でしたが、カッパ・ブックスは「大衆的な新書」路線で大成功。

手軽な価格で手に入り、しかも誰が読んでも理解できるよう、わかりやすく書かれている。ペーパーバックによる占い本は、まさに時代の要請に応えるものだったのではないでしょうか。

ただ高度経済成長の一方で、60年の安保闘争で世の中が騒然とし、経済発展にともなって四日市ぜんそくやイタイイタイ病などの公害問題などが表面化するなど、決して安寧とはいえない時代でもありました。景気がよければよいで、また、世の中が不安定でも、占いは流行るのです。

※本稿は、『占い師の正体-人はなぜ占いに惹かれるのか』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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占い師の正体-人はなぜ占いに惹かれるのか』(著:鏡リュウジ/中央公論新社)

「占いが当たる」とはいったいどういうことなのか? 

占いは、科学や統計学なのか? 

病か、それとも救いか?

人間にとって占いとはなにかを正面から問い、占いという謎めいた営みの魅力、魔力、その本質に迫る。