わかりやすい自己啓発書

ところで、この『マイバースデイ』を発行していた版元が「実業之日本社」というビジネス書の出版社であったことは重要だと思います。世界教養全集のような教養書を読むのはハードルが高いと感じていた層への、よりわかりやすい自己啓発書で成功したのが実業之日本社でした。

青年層への生き方指南となる刊行物を出していた一方で、少女向けには『少女の友』という雑誌も刊行していました。その雑誌を覚えておられた編集者が占いを含む少女向けのライフスタイル誌の刊行を着想したと聞いています。戦前に山田耕筰の『生れ月の神秘』など占い書をこの歴史ある版元が出していたことも影響したのかもしれません。

『マイバースデイ』は、単なる占い情報誌ではなく、学校や家庭の中でいかに生きるべきかを提案する少女向けの自己啓発・陶冶書としての側面もあったのです。

2026年7月から東京の弥生美術館で『マイバースデイ』展が開催されています。いかに『マイバースデイ』が愛されていたかがわかりますね。

※本稿は、『占い師の正体-人はなぜ占いに惹かれるのか』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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占い師の正体-人はなぜ占いに惹かれるのか』(著:鏡リュウジ/中央公論新社)

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