清水 おばあちゃん、がっかりしてたでしょう。

小籔 しばらくは懲りずに、予備校に行かせようと粘ってました。

 

子どもの頃から食べ慣れていないと

清水 そうだ、小籔さんはお肉をまったく食べないけど、それはそのおばあちゃんからの教育?

小籔 いえ、そのおばあの夫のおじいですね。療術師だったんで、うちの診療所では健康食品とか自然食品みたいなものも販売してて。僕は小学4年生のときにはじめて白米食べたくらいですから。

清水 じゃあずっと玄米だ。

小籔 20代のとき、意識高い系の女が「玄米って知ってる?」って言ってきたことがあったんですよ。誰にぬかしとんねんお前、麦なんて子どもの頃に食うたことないやろ、と内心思いましたね。(笑)

川谷 特殊なものが多そうですね。

小籔 玄米で言えば、殻を多く残したタイプでしたし、水道水もアルカリの石を沈めないと飲んではいけなかったですね。あとは大麦若葉を削った粉。当時は青汁なんて呼び名はなくて、うちで売ってたのは「グリーンマグマ」って名前でした。あとは、酵素。

清水 早い! いまの流行りを先取りしてたんだ。

小籔 子どもの頃は風呂上がりに酵素飲まなかったらどつかれとったんですよ。アイスもケーキも食べさせてもらえませんでした。

清水 よく我慢できたね。

小籔 それが当たり前の生活だったんで、なんとも思わなかったです。で、年齢とともに禁止されていたものを食べるようになったり、食べさせられてたものをやめていったりしたんですが、やっぱり子どものときから牛豚鶏を食べてないと、味がもうダメなんですよ。何度トライしても、おいしいと感じられる体にはもうならなかった。

〈後編につづく