「今だったらこう描かない」も

2002年当時は共働き世帯が増えていたが、家族や職場では性別役割分業の意識が今よりも強く、社会の空気や価値観も今とは大きく違っている。

「オリジナル版は悩んだ末の結果なのであまり変えるところはなかったかな。『ここはしまった!』と思った箇所は数えるくらい」だったと話す。「今だったらこう描かない」という表現は、どこまで直すか悩んだ末に、注意書きをつけたうえで「オリジナル版ほぼそのまま」で出版することになった。

『ダーリンは外国人 リマスター版』書影
『ダーリンは外国人 リマスター版』(著:小栗左多里/オーバーラップ)

「例えば顔の彫りが深いとか、肩をドン!と押してるとか。そのころは何気なく描いていることでも今は気をつけるようになった。自分の感覚が変わったことにも驚いていますが、自分も社会も良い方向に変わってきたんだなと思っています」

出版当時は小栗さんは30代。そこから24年を経ているため、夫婦の変化も感じたという。「2人とも元気ですね。『ええっ』って驚いたり、私はすごく怒ったり。もちろんオーバー気味に描いているところもありますけれど、よく動いている。今はもう年を取ったし、落ち着きましたね」