生前葬で取り返す

手土産は「贈答」にカテゴライズされるけれど、婦人公論.jpの編集長から、某女性お笑い芸人さんがこう話していたと聞いた。

「独身はお祝いを出してばかりで、取り返せるのは葬式だけ。でも自分は死んでいるからわからない。なら、生前葬で取り返すしかない」

20代から着々と積み上げてきた、ご祝儀という名の投資。それだけではなく、結婚式や披露宴参加は、二次会の会費、ヘアメイク、衣装代と諸々の費用がかかった。この世でもっとも手堅い合コンだと思って出席してきたけれど、独身の私はリターンを回収することもなく、なんなら離婚して出戻ってきた知人の再婚祝いとして2回目の投資をした経験もある。もし祝いではなく、NISAにお金を入れていたら、今ごろかなりのインカムゲインを手にしていたはずだ。さらに結婚式から数年経った頃、出産祝いも私の手元からひらひらと舞っていった。

懐古していると、つい忸怩たる思いが込み上げてきそうになるが、私はもう回収をあきらめた。今までのお祝いは募金だと解釈している。もし何かの間違いで今後、自分が祝いをもらう立場になったとしても「すべて辞退させていただきます」とSNSに書き込む妄想だけは準備をしている。