「女たちの友情」を詠む
元気かな むかし彼氏に叩かれてそれでも笑っていた女の子
臨月のともだちへ手を振っているこのようにたまに灯台になります
ともだちを旧姓で呼ぶともだちがちゃんと振り返る 蚊だよ
また、恋の歌が少ない代わりに、友達への心寄せが次々と歌われるのも特徴です。今の流行りの言葉で言えばシスターフッドというのでしょうか。
一首目、「彼氏に叩かれてそれでも笑っていた女の子」を今でも思いつつ、それでもこの女の子を根本的には救えない、支えられない切なさ。
二首目、臨月のともだちの状況には踏み入れられないまま、手を振って「たまに灯台になります」という。この言葉には、遠くで彼女を照らしながら、困った時の目印になりたいという思いがあるのでしょう。最後の歌は、結婚した友達への歌。
三首目、「ともだちを旧姓で呼ぶ」、いつでも伝わるファーストネームでなく、今は通用しないファミリーネームで呼ぶ切なさが香ります。新しい戸籍を作る前の結婚前のともだちを、なかったものにしないように。
恋愛、結婚、子育てに入っていく友達を見て、同じ状況を知れないことや、その本質の問題に入れないことは知りつつも、心を砕くことを忘れない。この、男性に比べ、アイデンティティがうつろっていく女性の人生の中で、「女の友情」はこれからもっと大きなテーマとなるかも知れません。
