病室のベッドで並ぶ両親
転勤族と結婚した私と妹は、両親の老後の面倒を上の3人の兄・姉に頼らざるをえませんでした。兄たちは限界までよく頑張ってくれましたが、施設のお世話になることが決まりました。
もう母にとって、私はやたら親しげなよその人、だったのかもしれません。軽くなった母をおぶって、廊下を散歩したりもしました。
母のおしりを支え、首にまわされた母の両手をきゅっとつかむ。部屋に戻っておみやげの和菓子を渡すと、おいしそうに食べてくれたのでそっと頬に触れると、「なにするの!」とにらまれました。
やがて父も糖尿病で体調を崩し、同じ棟内の病院に入院することに。「お母さんを連れてきたよ」と病室のソファに母を座らせ、兄嫁と洗濯をしに部屋を出ました。
しばらくして戻ると、なんと父のベッドに母も入り、2人でまっすぐ上を向いて横になっているではありませんか。布団もかけて。どちらがどう声をかけたのかわかりませんが、静かに並ぶ両親は幸せそうで、私たちも笑顔になりました。