まず冷凍庫を覗く。冷凍食品がごちゃごちゃに詰まっている。その合間に、保冷剤が一つ、二つ、三つ、四つ。まだあるぞ。そう、保冷剤もナフサ由来の製品らしい。

保冷剤というものは、知らず知らずのうちに溜まる。お店で「保冷剤、おつけしますか?」と聞かれると、とりあえず「そうですね」と答えて袋に入れる。アイスクリームや生菓子の到来物には必ずついてくる。おかげで冷たい商品はその冷たさを保てる。なんという優れものであろう。こんな優れものを易々と捨てるわけにはいかない。そう思い、手に入れると毎回、冷凍庫に放り込む。そして冷凍庫は保冷剤で満たされる。

「こんなにたくさん保冷剤、いりませんよね」

三年前の引っ越しの際、捨てることに関して躊躇のない秘書アヤヤのひと言に従って、しぶしぶ処分した、大量に。あのとき、こんなナフサ不足の時代が訪れるとわかっていたら、捨てなかったのに。アヤヤを責めているわけではない。保冷剤が冷凍庫を占拠するのはたしかに困った問題だ。するとごく最近、「保冷剤をお客様から返還してもらう店が増えている」という情報を得た。常連客に声をかけ、一度、提供した保冷剤を回収しているというのだ。なるほど。これは実行する価値がある。しかし、どこへ持っていけば喜ばれるだろう。ただいま思案中。

洗濯物をかけるハンガーも、だいぶ以前から回収システムにしているクリーニング店がある。あの黒いプラスチックハンガーもナフサ由来にちがいない。たくさんあるぞ。でも最近、私はさほどクリーニング店に行かなくなった。気に入りの洗剤を買って以来、自宅で洗うことが増えたせいだ。久々に足を運んでみるか。そのためにはクリーニングに出す服を用意しなければ。ただいま思案中。