「ターニングポイントに」
Ayaseさんは『ブラッサム』の主題歌のオファーがあるまで、宇野千代について知らなかったという。制作にあたり、宇野千代の自伝的小説『生きて行く私』などを読み、感銘を受けた。
実際に宇野千代の故郷・岩国まで足を運び、ゆかりの場所を巡った。「山口県民として、楽曲制作を担当させていただく人間として、僕も宇野先生の生きた場所に行かないと曲を書ききれないと思ったんです。ちょっと言語化するのが難しいのですが、宇野先生が生きた証を拾いに行くことができたように思います。 本当にまっすぐ、宝物のような楽曲になりました。僕から生み出された曲だけれど、おこがましいかもしれませんが宇野先生と一緒に書いているような呼ばれているような感覚があって、僕にとって大事な曲になりました」と振り返った。
Ayaseさんは、宇野千代との出会いに運命的なものを感じたという。「自分の人生の中でターニングポイントになったと言っても過言ではないくらい、鮮烈で衝撃的でした」と明かす。
宇野千代の生き方について「名詞的ではなく動詞的」に感じたという。「宇野先生は、『私が作った作品』『私が作ったデザイン』とか、人生を名詞ではなくて、『私は描いている』『作っている』『今は誰が好き』とか、動詞として捉えている。今を生きてずっと未来を見ている印象があります。困難があっても軸がぶれない。ちょうど、僕もタイミング的に将来のことを考えたり、楽曲制作で思い悩むことがあったり、浮き沈みが激しい時期だったりしたので、宇野先生の考え方にすごく勇気づけられました」と吐露。
「落ち込みそうになった時には、宇野先生だったら今の混乱をどう楽しむんだろうかと考えるようになりました。すべてにおいていい影響を与えてくださった。僕も先生と出会ったことで一歩踏み出す勇気をいただけた」と感謝を語った。