書店の娘としてもっと多くの方に本を読んでほしいという想いから、動画メディアでの発信を決意したという林真理子さん

ベストセラー作家の知られざるエピソードを披露

作家・林真理子さんが自身の著作から一冊、自著以外でおすすめの本を一冊紹介するYouTubeチャンネル「マリコ書房」が9月16日に配信されます。

いまだに原稿用紙に手書きで執筆をする自他共に認めるアナログ作家のため、パソコンやスマホ、タブレットなどのIT機器が苦手なことで業界でも有名な林さん。しかし、もっと多くの方に本を読んでほしいという想いから、動画メディアでの発信を決意。本屋の娘として本を紹介する「マリコ書房」を8月に立ち上げました。

4回目となる今回取り上げるのは、自著が『綴る女-評伝・宮尾登美子』(中央公論新社)。もう一冊は宮尾登美子著『櫂』です。

6年前に亡くなったベストセラー作家、宮尾登美子氏に生前かわいがられた林さんが、大好きで何度も読み返したというのが宮尾氏の代表作『櫂 』。そして、宮尾ワールドの背景を探るべく、故郷・高知に足を運んで丹念に取材して書き上げた『綴る女-評伝・宮尾登美子』。この2作を通して、作品世界はもちろんのこと、交流があったからこそのさまざまな逸話・秘話も飛び出す回となりました。

『綴る女 評伝・宮尾登美子』著:林真理子(中央公論新社)
『櫂』著:宮尾登美子(新潮社)

「女性が普通に小説を読んでいた時代に読まれた最後の女流作家」と宮尾氏を評する林さんは、生前、宮尾氏本人に「いつか先生の評伝を書きたい」と直訴し、快諾されていたことや、女流作家の集まりなどではいつも隅にちんまりとしていた宮尾氏を「ぶりっこ」という瀬戸内寂聴氏のコメントを披露。

林さん自身が作家になって間もなく参加した女流作家の集いで、慣れない和装に足がもつれて転んでも一瞥だにされなかったエピソードから、女流作家の厳しい世界について語っています。

また、昭和の遊郭を舞台にした『櫂』など宮尾氏の世界観が令和の今、高知にも日本のどこにも跡形も残っていない寂しさも語っています。
「マリコ書房」宮尾登美子特集で、宮尾文学の魅力にぜひ触れてみてください。

「マリコ書房」- 林真理子YouTubeチャンネルはこちら