小栗旬くんに会ったら…
中村 今回、復帰するにあたって、当時の取引先へ改めて謝罪に行くことは考えていますか。
小出 もちろんです。当時は謝りたくてもまったく身動きがとれなかったので、復帰の前にまず謝りたい。俳優仲間にも少しずつ会いに行っています。先週は小栗旬くんに会ったんですが、最初はかなりドキドキしていたんです。そうしたら会った瞬間にいきなりハグされて、「とにかくよく頑張った、おかえり」と、背中をバンバン叩きながら泣いているんですよ。
その時、他の俳優仲間も一緒にいたんですが、「恵介、大丈夫。ここからだ。お前はとにかく、すべてを舞台にぶつけろよ」と。その言葉にすごく救われましたし、嬉しかった。と同時に、彼らに対して恩返ししなきゃいけないという思いも非常に強くなりました。でもそれとは別に、まずはちゃんと謝りに行きたいです。
中村 事件を引き起こした時期のことを振り返って思うことはありますか。
小出 先日、友達から言われたんですが、「ある時点からお前は俳優仲間から離れていった」と。たしかに、もともとは俳優仲間と毎日のように一緒にいたのに、いつの間にか彼らから遠ざかっていました。
「ほかの役者とは違うことを吸収するんだ」という気持ちで、ほかの職業の人たちとコミュニケーションをとったり、食事に行ったりするようになり、よくわからない人たちが出入りするような環境に身を置くようになった。自分にとって居心地がよかったわけじゃないのに、意地になって、結果的に自分を危うい状況に追いやっていったんですよね。
中村 それは事件からさかのぼって何年前ぐらいですか。
小出 1年半ぐらい前だと思います。