中村 私生活も荒れていた。
小出 非常に荒れていたし、間違ったほうに突き進んでいましたね。その理由は仕事のプレッシャーもあったかもしれませんが、単純に驕りもあったんです。それまで14年間、幸いにも非常に恵まれた仕事をさせていただいていたのに、それに慣れてしまい、感謝もだんだん薄れていった。俳優仲間に対しても、あるときから無神経で傲慢になっていたと思います。
今思えば、焦る必要なんてなかった
中村 役者のストレスっていうのもありますか。
小出 ありますね。自分の状況として、グングン伸びない時期があったり、思うようにブレイクしないとか。たとえば映画『風が強く吹いている』や『シュアリー・サムデイ』で主演をつとめた後ぐらいから、僕は舞台に傾倒していくんですけど、テレビドラマでの主役にはなかなか結びつかなかった。
主役を張りたい気持ちはもちろんありましたし、駆け出しのときから共に切磋琢磨してきた俳優仲間たちがワーッとブレイクしていったときに、自分はそこについていけてないという自覚があって、焦ったんです。
中村 確かに、綺羅星のような俳優が揃った世代ですね。
小出 今思えば、焦る必要なんてないんですけど、当時はわからなかった。
中村 今回、こうして取材をお受けになったことで、もしかしたらまたバッシングを受けるかもしれません。
小出 絶対に批判はされると思っています。自分が無傷のまま復活できるなんて思っていません。そこは覚悟していて、自分としてはもう、批判は受け止めるべきものだと思っています。
中村 日本で活動を再開されることについて、ご両親は?
小出 喜んでくれています。ちゃんとした事務所に所属が決まったことで、なおさら安心したと。
中村 これまで応援してもらったファンの方に対しては、どんな言葉を送りたいですか。
小出 ご心配をおかけして、失望させてしまって本当に申し訳ないということですね。こんなことがあってもSNSを通じて声援を送り続けてくださったファンの方々に対し、改めて謝りたいですし、ご心配ご迷惑をおかけした世間の皆さまへも、今一度心よりお詫びを申し上げたいです。
この3年間が決して無駄ではなかったということをファンの方たちに作品を通して感じていただければ。そのためにはやはり俳優の仕事を一所懸命やっていきたいですし、お声がかかればどんなことにもチャレンジしてみたいと思っています。