「みんな仲良く」の押しつけを反省

孫たちみんながひとところに集まってワイワイ楽しく騒ぐ──大人としては理想的な光景ですが、現実はそううまくはいきません。子どもが10人も集まると、自然にサークルができます。

こっちでは小6と小4の女の子が手芸を始めて、あっちではゲームをしている男子たち、ダンボールで工作をする子もいれば、虫捕りに夢中になる子もいる。それぞれが、自分と気の合う子や自分が好きなことを見つけて思い思いに過ごしています。

そんななかで、子ども同士ですから当然ケンカもよく起こる。言い争いになって泣いている、怒っている、すねている……そんな様子を見れば、とても心穏やかではいられません。ケンカをしている2人に「仲良くしなさい!」と言ってしまったことが何度もあります。

また、工作している子のところにある子が近づいて「僕もやりたい」と言ったときに、「やりたがっているんだから、入れてあげなさいよ」なんて余計な口出しをしてしまったことも。

1人で集中してやりたいのかもしれないのに、「一緒にやろう」と受け入れる子に《理想》を見て、入れてあげないのはわがままだと決めつけてしまったんです。一人ひとりは個性を持った人間であることを忘れてしまい、「理想的な集団にしなくては」となぜか考えてしまうんですね。

子どもたちを見ていると、「みんな仲良く」を押しつけてはいけないな、と思い知らされます。クラスメートに自分と合う子と合わない子がいるのと同じように、いとこ同士にだって、相性がありますから。

大人に求められるのは、一人ひとりをしっかり見て、子ども同士の関係を決めつけず、さまざまな視点から捉えることではないかと思うんです。思考を停止させないでいられるかどうか、大人が試されているといってもいいかもしれません。

そんな思索の機会が無数に与えられることが、《小さい人》たちとともに過ごす面白さではないでしょうか。