ヤマザキ 介護とかにも応用できそう。でも、思いっていうのがなあ。私、邪念だらけで。
清水 わかる。あと、「できるわけない」っていう意識のストッパーが働いちゃう。
榎木 だから「常識は捨てましょう」ってよく言うんです。でもこんな話ばかりしているので、変な人だと思われる。(笑)
ヤマザキ 理解しづらい話を聞いたとき、「変な人」と分類したほうがラクですから。私もたいてい「変な人」として処理されます。
榎木 ブログも、もうコメント欄が荒れて大変(笑)。でも「宗教」とか「オカルト」とか「スピリチュアル」とか、わかりやすさのためにそういう言葉を使うことはありますけど、その枠のなかでなにかを語るのはとても小さいことだと思いますね。本来、人間は無限の可能性を持っていて、そこには宇宙的なものが内在しているはず。それに気づくタイミングが、確実に近づいている気がします。
ヤマザキ 今回のコロナ禍で注目すべき点は、全世界が同じ問題について考え、論じ、対処していく現象だということですよね。
清水 しかも、それを全世界が同時に知りうる環境も整備されてるのは、史上初じゃないかな。
榎木 だから私は、コロナ禍をある意味ビッグチャンスだと捉えているんです。全人類が同じ問題に取り組むことは、「地球人」という単位で繋がれるチャンス。各自が「アメリカファースト」などと自己主張してたらもったいない。
ヤマザキ 私は日々、各国のテレビ番組やネットをつけっぱなしにしていているのでつい比較してしまうんですが、日本と他国の違いは、特に首脳陣のスピーチに現れますね。ドイツのメルケル首相も、イタリアのコンテ首相も、言論の演出と説得力がすごい。紙を見ながら語ったりはしない。
清水 たまたま、8月6日と9日の「原爆の日」の安倍さんのスピーチが、ほぼ広島と長崎の地名を取り換えただけだった、と指摘されていましたが。
ヤマザキ たとえばうちの息子は海外育ちなので、先生の前で自分の考えを伝える訓練を小学校から受けています。でも、日本には弁論の教育の土壌がない。
榎木 将来、政治家になってから弁論力を求められても困りますね。
ヤマザキ これって、弁論力=民主主義というフォーマットがある海外では考えられないことなんですよ。榎木さんがおっしゃっていた、明治維新で西洋式の民主主義や軍隊教育といったシステムを取り入れたわりに、基本として取り入れるべきことは取り入れてない。まあ、日本で重んじられがちな世間的な戒律と民主主義なんて、本来両立するものではないのかと。だとすると、むりやり西洋式民主主義を取り入れようとしたから、こんな歪みが生まれたんじゃないか、という気もしていて。
榎木 両立できていたら、「変な人」は世間から排除されないでしょうね。