不安の多いこの時期、清水ミチコさんが「会いたい」と思ったのは、榎木孝明さんとヤマザキマリさん。考えを深め、自分に問うことを繰り返してきた2人は、初対面で意気投合。そこには、ときに「変な人」とカテゴライズされてきたという共通点がありました(撮影=大河内禎)
「思い」の力は筋力を超える
清水 榎木さんにお会いしたら真っ先にお聞きしようと思ってたことなんですけど、コロナ禍でも「不食」は続けてるんですか。
榎木 普段はやっていないのですが、コロナ禍で食べすぎて太ったので、この10日くらいは食べていませんね。大河ドラマの撮影も再開しましたし、本番中は特に食べないです。
ヤマザキ 食欲もないんですか。
榎木 ないですね。妻の料理の味見くらいはしますけど、10日で口にしたのは、たぶん1食分に満たないんじゃないかな。
清水 私、榎木さんがお書きになった「不食」の本を読んで、感動したんです。でも、いまは「ちゃんと食べて免疫力を上げなきゃ」と思っちゃって。
ヤマザキ それに食べて栄養補給しないと、集中力が切れてイライラしますしね。
榎木 そう感じる人は、食べたほうがいいですね。自分の感覚が健康に直結するので。「不食をやっている」という事実のみご紹介しただけで、世間に不食を勧めるつもりもなければ、マネをしてほしいわけでもないんです。ただ、私は食べないと本当に体調がいい。かえって免疫がついてるんじゃないかな。
清水 そうなんですね。それと、前にある番組を見ていて、「あれ、いまの榎木さんだった?」と思ったことがあって……。「気」で誰かを倒していませんでしたか。
榎木 ああ、それは私です。(笑)
ヤマザキ なんですか、それ。
清水 相手に軽く触れただけなのに、すごい跳ぶの、人間が。
ヤマザキ ちょっと榎木さん、仙人みたいじゃないですか。
榎木 まあ、霞を食べて生きておりますから(笑)。ただ、たまにバラエティ番組に出て、こういう話ばかりしていると、みんながすーっと引いていくのがわかりますね。