すると、マンションの管理会社から、「娘さんたちの部屋の騒音がひどいと苦情が入っている」と連絡があったというのだ。管理会社の男性はとても冷たく、ネチネチと「お宅のしつけ、どうなってるの?」と嫌みを言い続けるので、母はいたたまれずひたすら謝ったとか。迷惑をかけた方に謝罪したいので連絡先を教えてほしいと言ったら、苦情の出所は教えられないと断られたらしい。一方的に非難され、反論できない母はかなり凹んでいた。

しかし苦情の内容を聞いてみると、「窓を開けてゲームをしているから、明け方まで機械音がうるさい」という。あの狭い部屋で、姉もいるのに明け方までゲーム!? 絶対ありえない。必死に「それはうちじゃない。お姉ちゃんも朝から仕事があるのに、あんな狭い部屋でそんなことしたら、眠れないやん!」と説明すると、興奮していた母も「たしかに」と納得して、電話を切ってくれた。

 

「朝方までどんちゃん騒ぎなんてありえない」

そういえば、マンション1階の掲示板に「ほかの住民の迷惑になるため、騒音や大声は控えてください」と書かれた紙が貼ってあったような気がする。学生の多いワンルームマンションで壁も薄いから、そういう苦情も多いのだろう。でも自分とは無関係だと気にも留めていなかったし、夏、窓を開けていても、私たちの部屋には騒音など聞こえてこない。きっと離れた部屋のことに違いない。そう思って放置していたら、また母から電話があった。