幻となった思い出のアルバム
一番の大打撃は、私が元彼と写っている10代、20代の写真をアルバムごと処分されたことだ。元彼とのアルバムがあることは夫も承知で、これまで数十年、何のお咎めもなかった。だから堂々とわが家の押し入れに収まっていたのだけれど、1ヵ月の不在中に跡形もなくなく消えていたのだ。
当然私は激怒。「どうして私に相談もなく捨てたのよ」「もういらないでしょ。なんで元彼の写真がいる?」「元彼の写真が必要なんじゃなくて、自分の若い頃の写真を残しておきたかったの!」「それなら新婚旅行の写真でいいだろ」「でも10代、20代で微妙に顔が変わるのよ!」「ふーん」。敵はまったく反省の色もない。片や私も、自分の言い分にどれだけ正当性があるのか自信がなかった。
私は落ち込んだものの、落胆しすぎると夫にあらぬ疑いをかけられるので、引き下がった。だが、今もその時のことを思い出しては、私の輝かしき10代の日々を返せ! と、あの頃から15kg増えた脂肪をまとい、身もだえしている。
※婦人公論では「読者体験手記」を随時募集しています。