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新型コロナウィルスの第三波が猛威を振るう中、正月の帰省を諦めた人々も多いはず。まさに「ガチでひとり」を実感する年末年始。『読売新聞』「シングルスタイル」欄の編集長で、自らも「おひとり様」歴の長い森川暁子さんはどう過ごす?

「ひとりでいるのが好きなんです」

高齢の母がいる大阪の実家に帰省するのをあきらめたので、正月は東京で、ひとりで過ごすことになった。言うまでもなく、新型コロナウイルスの感染を広げるのが怖いからだ。正月はガチでひとり。今年、そんなシングルは多いんじゃないだろうか。

読売新聞には月に2回、「シングルスタイル」というページがある。主な読者は、独身者やひとり暮らしの人、家族がいても「ひとり時間」を持ちたい人、そして「いつかひとりになるかも」と考えている人たちだ。余暇時間の使い方や、住まい・食事のこと、果ては「どうやってお墓に入るか」まで話題はいろいろ。編集長の私も54歳の独身である。

ひと昔前を思い起こしてみれば、ひとりで過ごしやすい世の中になったものだと思う。ひとり客向けの焼き肉店もあるし、「ひとりでカラオケ」という楽しみ方も広がった、女性ひとりで旅行に出かけても「何かあったんですか」などと不審がられたりはもう、しないだろう。「ひとりでいるのが好きなんです」と公言する人も珍しくなくなった。実際、未婚の人、単身で暮らす人が増えたのだから、当たり前といえば当たり前かもしれない。

しかも、新型コロナウイルスの感染が広がり初めてからというもの、どこでも人との距離を取ることを期待されるようになり、単独で行動する人が周りから浮かなくなった。もともとひとり者は、孤独死しかねないとか、災害のとき孤立しそうだとか、「リスキーな存在」と思われてしまうことも多いので、コロナ下の「ひとりが安全」というシチュエーションは、なかなか新鮮である(家庭内感染を心配する必要はないが、感染してしまったらやはり大変なのだが)。