(イラスト:楽谷玲子)
手は常に何かに触れ、酷使する部位。ケアをしている人と、そうでない人とでは肌に大きな差が出ます。乾燥による手荒れが気になるこれからの季節、年齢を感じさせない手元のためのケア方法を皮膚科医に聞きました。後半は爪のケアについてです。(構成=吉川明子 イラスト=楽谷玲子)

<手肌のケアについてはこちら

新しい爪をきれいに生やそう

手と同様、気になる爪のケアについてもお話ししましょう。爪には、乾燥によるささくれ、二枚爪、縦すじなどさまざまなトラブルが起きます。しかし、すでに生えている爪は死んだ細胞なので、爪自体にいくらクリームやオイルを塗り込んでも、その状態を改善することはできません。できるのは、これから生えてくる爪を美しく健康に保つこと。

ハンドクリームを塗る時に、爪の付け根にあたるを意識して、1本ずつ丁寧に塗り込んでください。この部分に新しい爪を作って伸ばす組織があるからです。マッサージをして血流をよくすることも、健康な爪を育むのにプラスに働きます。

伸びた爪を切る時にも注意が必要です。爪の白い部分は数ミリ残し、爪の両端は切り過ぎないようにしてください。この部分を深く切ってしまうと、巻き爪の原因になります。

爪切りは爪への負担が大きいため、ヤスリで削るのがおすすめですが、時間と手間がかかるため、できれば爪切りを使いたいという人も多いでしょう。その場合は、入浴後など爪が柔らかくなっている時に使うのがコツです。

また爪のおしゃれとして、ジェルネイルのほかセルフネイルを楽しんでいる人も多いでしょう。その場合に気をつけていただきたいのは、グリーンネイルや剝離症、爪カンジダ症などの爪にまつわる病気です。常にネイルをしている人は、地爪の異常に気づきにくいため、時々ネイルを取って、爪の状態をきちんと確認することを心がけてください。