ようやく先進国並みとなった日本の大学進学率
一方で「Education at a Glanceʼ2019」をデータソースとしてOECD加盟国に注目すると、そのデータの2012年度版を比較資料とすることで、大学型高等教育への進学率を知ることができる。
これによると、日本は51・6%。OECD加盟国の平均が58・3%なので、平均よりやや低いことが分かり、世界でも目立つほどの高学歴社会とまでは言えないのかもしれない。
ちなみに主要諸国では、アメリカ71・2%、韓国68・5%、イギリス67・4%、ドイツ53・2%、フランス40・8%であり、アメリカと韓国は既に大学卒業者が多数派の国ということが分かる。
大学の定義は国によって異なるので細かい国際比較は困難でもあるが、ともあれ、ようやく日本も他の先進国と比較して遜色のないレベルの大学進学率を備えつつある、ということは言えそうだ。
高まった大学進学率の先で
ではここまで高まってきた大学進学率の先で、日本の大学はこれまで十字架のように背負ってきた「公平さ」をどう考えるべきなのか? 令和となり、グローバル化が進む今でも、戦後から連綿と続く「一発試験で選抜した少数エリートを育てる」という姿勢のままで本当によいのだろうか?
そもそもだが、大学は大きく言って教える側の教授、学ぶ側の学生、それに事務をつかさどる事務職、そして管理と政策を担当する文部科学省という四者によって構成されている。
それぞれが大学という学問の場を支える役割を担い、今、激変への対応を求められているわけだが、ここでは特に学生に着目して論じたい。日本の未来を担う学生たちに、この先大学はどう向きあうべきだろうか?