会社も社員を育てる余裕がなくなった時代に

そういった再検討が必要とされる背景として、多くの学生が大学卒業後に就職するであろう、企業側の変化も大きい。かつてであれば、入社後に新入社員らを教育し、訓練する余裕も風土も企業にあったし、入社するにあたって、学生にそこまでの知識や技能を求めてはいなかった。

しかしその資金や育てるだけの時間がないほどに競争が激しい時代となり、企業が即戦力を望むようになったという事情もある。

いずれにせよ今必要なことは、教える側も実学で学生を鍛えるという強い意思をもち、一人前の職業人を育て上げるという気概で教育にあたることである。

もともと日本の専修学校はこのような実学教育をしており、職業教育の一環としてかなり重要な役割を果たしてきた。これだけ多くの学生が大学進学する現代、その精神なり教育方法を早急に大学でも導入するべきではなかろうか。