『葛きり入り酸辣湯』(撮影:三村健二)
現在発売中の『婦人公論』(2月9日号)の料理連載「ヘルシーキッチン」では、「冬の薬膳スープ」を特集! 寒さで、血行や代謝が滞る季節。医食同源の知恵を基本にした、冬を元気に過ごすためのスープを村岡奈弥さんに教えていただきます。今回は、葛きり入り酸辣湯です(料理=村岡奈弥 撮影=三村健二 スタイリング・構成=関澤真紀子)

寒さに弱い「腎」をケアし
不調知らずの冬を過ごしましょう

薬膳は、中国の長い歴史の中で培われてきた「医食同源」の思想を基本とした食事のこと。日々の食を通して体調を整え、病気になりにくい体をつくることを目的としています。こう説明すると「特殊な食材を使った料理「」家庭では難しそう」と思われがちですが、胃腸の働きが鈍っている時にキャベツや白菜を摂ったり、風邪気味の時に体を温め邪気を飛ばす葛湯、しょうが糖を飲んだり......。体調に合わせて身近な食材を選んで食事に取り入れる養生法。これが薬膳です。

冬は人間の五臓の一つ「腎」が傷つきやすくなります。精を貯蔵し体内の水分代謝、成長・生殖・免疫系を司る腎は、冷えを嫌います。そのため、鶏肉、にら、しょうが、ねぎ、よもぎ、えび、鮭、八角、丁字(ちょうじ)など体を温める食材や、腎の働きを助ける黒豆、黒きくらげ、きのこ類、くるみなどを意識して摂ることが大切。冬の間に腎をケアすることは、アンチエイジングにもつながります。

(村岡奈弥さん)