バランスのいい食事と適度な負荷が骨を強化する
骨密度が低下すると、骨が弱くなる骨粗しょう症のリスクが上がり、ちょっとしたことで骨折しやすくなって、寝たきりになることも。
「更年期頃から急激に骨密度が低下しはじめますが、一度脆くなった骨も強化することができます。大切なのは、バランスのいい食事と、骨に適度な負荷を与えること」
骨作りには、さまざまな栄養素が関わっています。
「カルシウム、タンパク質、ビタミンDは骨作りの基本の3大栄養素。骨の主成分であるカルシウムの吸収をビタミンDが高め、骨代謝を促します。骨の土台を作るタンパク質も欠かせません」
骨密度を高めカルシウムが骨から溶け出すのを抑えるビタミンKや、カルシウムと連携して骨に弾力性を与えるマグネシウムなども必要不可欠です。 (後出「骨を作る栄養素」参照)
「こうした栄養素は互いに補い合って作用しています。相乗効果が期待できるものを同時に摂ることで、それぞれの働きを高めて、より丈夫な骨を作ることができるのです」
また、筋肉を鍛えるときに負荷をかけてトレーニングするように、骨にも負荷をかけると、骨作りは活性化するそう。
「骨は刺激が少ないと、破骨細胞がどんどん働いて脆くなります。逆に、刺激が加わると骨の作り替えを指示する骨細胞から『負荷に負けない丈夫な骨を作れ!』という指令が出て、骨芽細胞が活発に働き、今まで以上に強い骨を作ろうとするのです。具体的には、骨の主成分であるカルシウムが骨に沈着するのを促して、骨密度の高い骨になるという仕組みです」