「幸せ」を決めるのは、誰でもなくその子自身
同棲開始からあっという間に2年の月日が過ぎ、「高齢出産」が目前に迫る現実に慌てて、婚姻届を提出。すぐに妊活を始めました。基礎体温をつけ排卵のタイミングをはかったり、漢方薬や葉酸を飲んだり。それこそ、ほんの少し熱っぽいだけでも、「赤ちゃん、できたかも!」とソワソワし、生理が来るとがっかりすることの繰り返し。妊活開始から8ヵ月目に妊娠検査薬が陽性を示したときは、喜びのあまり跳び上がりました。
ただ、病院で「二卵性の双子」と告知された際は、不安ばかりが膨らんだ。高齢の初産で双子……ちゃんと育ってくれるか心配でたまらなくなって。インターネットの医療情報で留意点を調べ、同じ境遇の先輩ママのブログを読んでは、「私の子どもも、きっと大丈夫」と自分に言いきかせました。夫は、もちろん心配はあったでしょうけど、そんな素振りは微塵も見せず、いつもと変わらない態度でい続けてくれましたね。
つわりがひどい時期の夫のサポートぶりは、すごかった。私は入浴など自分の身の回りのことすらできず、寝込む日々。夫は、家事を全部担い、私が「あれ、食べたい」と言えば、スーパーへ飛んでいく。で、せっかく調達してくれたものを、私は気分が悪くて食べられない。なんだか自己嫌悪に陥り、「何もできず不甲斐なくて、ごめんなさい!」とメソメソしていると、夫は「大丈夫、大丈夫。あなたは、お腹の中で子育てしている。俺よりすごいことをしているんだから」と優しく慰めてくれたんです。そのほんわかとした言葉にどれほど救われたか……。
つわりが来て、妊娠の実感が湧いてくると、約10年前、ある風俗嬢の方が私のブログに寄せた言葉が、ふと胸をよぎりました。確か、雑誌か何かのインタビューで「将来は、母親になりたい」と発言した直後です。「AV女優の子どもなんて、絶対に幸せにならない。私は風俗嬢の母親。だからわかります。子どもは産まないほうがいい」って。その言葉としっかり向き合うときが来たな、とひしひしと感じました。そして、自分なりに考え抜いた答えを、妊娠発表とともに、ブログに綴ったんです。
「『生まれてくるんじゃなかった』『産んでなんて頼んでねえ』などと子どもに言われないよう、日々頑張るだけ。大切なのは職業でなく環境。愛情とかお金とか、周りの環境。『幸せ』『不幸』と決めるのは、誰でもなくその子自身。私は『幸せ』と感じてもらえる環境をつくってゆく」。