「恋愛は論外」だった彼に告白した理由

彼が私に女性として好意を持っているのは、なんとなく感じていました。一方の私はといえば、彼のことは好きだけど、あくまでも友だちとして。そもそも「いつかは絶対に子どもがほしい」と願い続け、すでに30歳を過ぎていた私は、「次に付き合う人と、必ず結婚する」と心に決めていたんです。だからDJという不安定な仕事につく彼と添い遂げるなんて、ありえない。それゆえ、恋愛も論外。アプローチされるたび、「やめてね。あなたとは、(恋愛は)ないんで」と、ちょっと邪険にしていましたね。

ところがある日、音楽仲間と飲んでいるとき、不覚にも私、ベロベロに酔い、記憶をなくしてしまったんです。友だちがその様子を動画に収めていて、数日後に見せてきた。画面の中の私は化粧ははげ、洋服はよれ、汚いのなんの(笑)。

そんな私に彼が寄り添い、何を言っているのかもわからないような私の言葉に、「そうだね、そうだね」とひたすら笑顔で頷いている。友だちが「こんな姿を見て、『好きだ』と思ってくれる人、なかなかいないよ」と、ポツリ。

その瞬間、ああ、おっしゃる通りだなって。男の器量は、仕事やお金じゃない。ダメな部分も包み込んでくれるこういう温かさだと心の底から思えたんです。考えてみれば、お金なんて自分で稼げばいいだけですもの。それで、彼に「結婚前提でよければ付き合おう」と私から伝え、彼が迷わず頷き、どうせならと一緒に暮らしてみました。

夫は、ひとり暮らしが長かった分、家事も上手にこなす。それでいて、私に同等の家事力を要求することもない。こっちが「大丈夫ですか? こんなだらけた女で」と心配になるくらい、ラクさせてくれるんです。

また、一度だけ「恋人がAV女優をやってきたこと、嫌じゃない?」と尋ねたことがあります。もうAVには8年ほど出演していませんが、彼と私が恋人同士と知らずに、私の出演作を観たことがあるという初対面の男性が、「いつもお世話になっています」と冗談まじりで挨拶してくることもあったから。

彼は「別に。元彼がいた人は、みんな過去にセックスしているでしょ? その感覚となんら変わらない」って。あまりにもさっぱりした答えに、拍子抜け。とともに、私の生き方を丸ごと受け入れてくれていることに、ものすごく安らぎを覚えました。