AVデビュー後、温かな母の言葉に涙
そんな両親に、いや正確には母親だけにAVの仕事をしている事情を説明したときは、とても複雑な気持ちに陥りました。私は、きちんと成果を残してから両親に打ち明けるつもりでいたのです。それなのに、私の仕事に猛反対した友人が、勝手に両親に電話しバラしてしまって……。きっと辞めさせたい一心だったんでしょうね。その結果、これは後に知ったのですが、「女性同士で話し合ったほうがいい」と判断した父が、母に一任。それで、母が私を呼び出し、真意を問うたのです。
私は「お金のためにやっているわけではないし、AV女優のまま終わるつもりもない」と懸命に説きました。すると、母は「そういう強い思いがあるなら、頑張りなさい。その仕事に対して賛成はできないけど、あなたのやることだから、応援する。そしてあなたを信じている」。なんてしく、温かい母親なんだろう……と涙が次から次へと溢れてきました。
父は、今に至るまで、私の仕事についてまったく触れてきません。子どもの頃と何も変わらず、自然に接してくれる。それも父と母がお互いを信じ、認め、夫婦の関係をきちんと築けているからこそ、ですよね。私たち夫婦も、本当に見習いたいです。私に母の真似ができるかどうかはやってみないとわからないけれど、夫は「家族第一」の父に雰囲気がよく似ている。だから絶対、いい父親になるんじゃないかな。(笑)
話がそれますが、前にある大臣が「子どもを産まないほうが問題」という発言をしましたね。少子化で大変なのはわかるけれど、国が人ひとりの産む・産まないという人生の大切な選択にもの申すのはどうなのかな? 産みたいのに、身体的・環境的な理由で産めない方もいます。
私の場合は、夫はもちろん、両親、きょうだいみんなが、大なり小なり子育てに協力してくれるはず。しかも芸能界は会社員に比べ、多少はスケジュール調整もきく。そんな恵まれた環境だから、安心して双子を産めるんです。待機児童の問題が理由で出産を躊躇する方もいると聞くと、尊い命を預かる責任の重い保育士さんの待遇をよくするために、もう少し国の予算をつけたら、働き手も増えるのでは? なんて。こんなことを思うようになったのも、子どもを授かったお陰かもしれないですね。
今は、ベビー用品を揃えるのに必死。ベビーカーやベッドは先輩ママの友だちから借りようか? などと試行錯誤中です。なんといっても、全部ふたり分ですから、肌着を買うのでも、買い物カゴがすぐいっぱいに。財布が軽くなる一方で、帰りの荷物はかさばり大変ですけど、夫とふたりで幸せな疲労感を味わっています。
そうそう、実はまだ結婚式をしていないんです。来年あたり、可愛い息子たちに囲まれながら、ハワイで式を挙げられたら幸せですね。