「田村さんの日記。小さな手帳にはその日思いついた言葉や考えたこと、イラストに添える英単語などが書き込まれている」

日記を書くことでたいてい解決する

そうした毎日の発見を、私は日記代わりのメモ帳に書き留めます。私は昔から日記が大好き。楽しいことはもちろん、つらいこと、悲しいことも日記に打ち明けてきました。

『不思議の国のアリス』や『赤毛のアン』でヒロインは独り言をつぶやくでしょう。「あら大変、どうしたらいいかしら」「頑張って、ああしましょう、こうしましょう」って。そうやって自分で自分を励ますわけだけど、日記というのもまさにそれ。親友みたい。日記にぶつくさ書きながら、ああだこうだ考えるうちに、たいていの問題は解決します。私の83年の人生で証明されているから、本当のことよ。(笑)

そのときすぐに解決しなくても、後になって読み返したら「ちゃんと私、クリアできたじゃない」「OK、OK」と自分を褒めてあげられる。素敵なこと、面白いことがあったら、二度三度と読み返して嬉しくなるから、本当に日記っておトクなの。

カルチャーセンターの講座でも、20代から60代までの女性たちに絵日記を描いてもらっています。絵はうまい下手とかは関係なく、自分で自分を驚かせることが大事。レシートやお菓子の包み紙を貼り付けるだけでも、ペンでぐるぐる落書きするだけでも、「〇年〇月〇日」と日付を入れれば、立派な絵日記なんですから。

もちろん文章だけでもいいのだし、ぽつんと単語だけ、暗号みたいに誰にもわからないことを書いてもいいの。昨年、講座のゲストに村上もとか先生(ドラマ『JIN-仁-』の原作などで知られる人気漫画家)がいらしたとき、雑談で先生のお姉さまの少女時代の日記の話になって。

家族全員その日は家にいたはずなのに、お姉さまは「昨夜はボリショイバレエに行った。素晴らしかった」って書くのですって。つまりウソなのよ(笑)。そのお話を聞いて、私思わず拍手しちゃった。ステキでしょう?