どうも、斎藤工です

為末 僕が難しいな、と思うのは企業の偉い方々の前での講演。あれは空気がまったくほぐれない。

齋藤 わかります。あの重さはね、もう重油。(笑)

清水・為末 あははは。

齋藤 60歳以上の男性だけで500人、みたいな会場になると、「簡単には動きません、燃えません」という重油状態です。そういうときに僕がする実験は、「こんにちは。どうも、斎藤工です」ではじめる。

清水 ウケそう。(笑)

齋藤 こういうカテゴライズをすると、また最初の話題に戻ってしまうので気をつけなければいけないのですが(笑)、会場が女性500人で構成されていると、さっきの挨拶ですごくウケるんです。つまらないジョークだってわかってますよ。でも「今日は小さめに仕上げております」って続けるんですね。で、ますます爆笑。これが男性500人の会場だと、シーン、なんです。

清水 まず、斎藤工を知らない。

齋藤 背が高いことも知らない。でもね、別に知らなくていいんですよ。僕は笑うのはマナーだっていう考えなので、面白いから笑う、面白くないから笑わないのは違うんじゃないかと思っていて。「社会的マナーとしての笑いということで、よろしくお願いします」って、講演の最初に僕から握手を持ちかけているわけですし。(笑)

為末 最初にプレッシャーをかけちゃうのが、さすがだなあ。(笑)

齋藤 そのあと、「皆さん、高額なチケットにもかかわらず、どうもありがとうございます」と続けるんですが、僕の講演、安いか全員無料なんですよ、だいたい。(笑)

清水 テッパンのつかみができあがってる! でも、ここまで畳みかけて、笑っていい環境をつくってあげてる、とも言えますね。