「最近小さなトラポリンを買いましてね。トランポリンって着地が毎回ちょっと不安定でしょう。だから毎回面白い」(齋藤さん)

メダルを取るとビジネスクラスに

為末 陸上で言えば、国際競技連盟(IAAF。現在はWAに改称)は古くからアマチュアリズムを掲げていて。だから名称は「インターナショナル・アマチュア・アスレチック・フェデレーション」だったんです。でも70年代頃から、スポンサーがついたりするのが世界的に当たり前になってきた。

齋藤 純粋なアマチュアリズムを問うのが難しくなったんですね。

為末 それで11年に、「インターナショナル・アソシエーション・オブ・アスレチック・フェデレーション」に名称変更してるんです。(笑)

清水 同じIAAFのまま、「アマチュア」を取っちゃったんだ。

為末 昔の競技映像を見ると、「この円盤投げの選手は、普段は木こりをしています」みたいな牧歌的な解説が流れてきたりします。それに90年代はじめまでは、出場費用の半分は選手の自己負担だったらしいですね。ちなみに僕らのとき、オリンピックの移動はエコノミーと決まっていて、身長が190センチ以上か体重が90キロ以上であればビジネスに乗れたんです。だから188センチくらいの人は190センチに書き換えたりしてました。(笑)

齋藤 面白い。メダリストは?

為末 帰りの便がビジネスになりました。まあ、もう10年も前の話なので、いまはもっと状況がよくなってると思いますけど。