「何でもそうですが、挑戦したいことがあるならやってみるべき。伸び悩んでイライラする時期もありますが、夢中になれるものがあると人生が豊かになりますし、心の健康にもいいとしみじみ思います。」(撮影:西田幸樹)

自分の足でしっかり立ち、歩くことが基本

年齢を重ねてくるとどうしても足腰が弱ってくるものですが、私はいまもY字バランスができます。70歳でもこれができることに、皆さん驚かれます。まだまだ柔軟性やバランス感覚を失わないでいるのです。

テレビや舞台の仕事で寝る暇もないハードな時期が続いても、病気もせずに過ごしてきました。心身をしなやかに保てている理由のひとつは、35年ほど前から続けている西野流呼吸法が生活のベースにあることだと思っています。

この呼吸法は、西野バレエ団の主宰である西野皓三先生が創始されたもの。先生は、大阪市立大学医学部で医学を学んだ後、バレエの世界へ。そして合気道・中国拳法の師範になられました。これら西洋医学、バレエ、東洋の武道から新たなインスピレーションを得た呼吸法なのです。

《呼吸》という、樹木が根から水を吸い上げるイメージで行う呼吸が基本になっています。西野流呼吸法には、写真でご紹介している「天遊」の他にも、さまざまな動きがあります。

この呼吸法を実践すると、全身にエネルギーが巡り、細胞が活性化するのを感じますし、代謝が良くなって、食べても太らない身体になるのです。15歳からスリーサイズは変わらず、冷えや不眠の悩みもありません。何歳になっても、自分の足でしっかり立ち、歩くことは人間の基本ですし、さらに心の中にストレスをためないためにも、私にとってはこの呼吸法が欠かせない毎日の習慣なのです。