自分のしていることがお役に立っているという喜びが大きい
「『子どもなんてそんなもんです。食べたくないときは無理に食べさせなくても大丈夫ですよ』と答えたんですけど、遠慮なく言い過ぎたかな、と後から反省(笑)。でも子育ては経験の積み重ねでもあるから、聞かれたことを答えるだけで安心してくださる。料理も最初は和風ばかりでしたが、スマホでレシピを見たりして、鯛のカルパッチョ、ラタトゥユなど洋風レパートリーも増やしました」
うまくやっていけそうと思えた矢先、コロナ禍で外出自粛が言われるようになった。
「私を家に入れていいか、悩まれたと思いますよ。『でも、週末はどうしても瑞恵ママの手料理を食べたい』と言ってくださって。それからは前日と当日、お互いに体温測定をして、体調に変化がないことを確認するメールを送り合うようになりました」
収入は月だいたい1万円ちょっと。それでも週1回の《おかあさん代行》の仕事によい刺激をもらえている。
「お金をいただくのもありがたいですけど、自分のしていることがお役に立っているという喜びが大きいんですよ。お友だちにも最近、いきいきしていると言われます」
この仕事を75歳までは続けたい。だから立ち仕事を支えるひざと腰の体操は欠かせない。今では、月曜から土曜まで近所の公園でラジオ体操に参加しているという。